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青森ひばの土台(鬼滅の土台)

現在、練馬区で大規模改修工事をしております。築80年以上の平屋の家です。

鬼滅の刃の舞台、大正時代の少し後の建物です。勿論、壁は土壁でした。通称、小舞壁、竹や貫を縦横に編み込んだものです。

構造材がすべて無垢材だった為、高温多湿の日本の風土をずっと耐え抜いてきた、生きた証がここには、ありました。

その歴史が当時の棟梁の技と共にホゾにも、しっかり刻まれておりました。

スケルトンにして、判ったことが、なんと、土台には青森ひばが使われておりました。

湿気に強いだけでなく青森ひばのおが屑は、白蟻を死滅するほどの天然の殺菌性を持つ素材。

益虫も殺し、人にも害のある防腐剤、防蟻剤漬けの外材、集成材とは対極に位置します。

材料が豊富ではなかった当時にも拘わらず、表には見えないところに、適材適所の材が

使われている、心意気、職人の気質、そして、お施主様の眼力に感動しました。

青森ひばは、積雪を耐え抜いた自然の力を備え、人には、安らぎを与えてくれる木、その性格は木肌にも、優しさが溢れています。

(まるで、鬼滅の刃の主役、炭治郎のような優しさ)

しかし、木の性質は、素直ではなく、曲がったり、ねじれたり、扱いが非常に難しい木でもあります。

桧の1/200程度しか存在しない、超、貴重な材料で、購入するには、特殊なルートが必要です。

 

 

傷んでいる箇所は、自然乾燥の青森ひばに交換です。仮の筋交いには、ひのき。

 

太鼓梁をあらわした、二間続きの和室を、いま風にアレンジして、居心地の良い住空間にしたいと思います。

お施主さまより、基本的にお任せされている分、プレッシャー、責任も重大ですが、ゆっくり丁寧に、全集中で仕上げていきたいと思います。

 

神﨑隆馬